と雑談をしていたら、何処からとも無く跡部が現れて、僕の存在なんてまるで無視したように高らかにに宣言した。 「、お前が中等部を卒業したら、解禁だからな。」 「え、何がですか?」 「分からなくていい。俺がどんだけ堪えてるか、その時思い知らせてやるよ。」 「??分かりました?」 そう言って、早々に跡部は苛々した様子でから離れていく。 うわ、凄い機嫌悪! まぁ、何となく原因は想像がつくのだけど。 「何の話だったんでしょうね?」 やっぱりね。 跡部の言葉を、多分分かっていないだろうなぁと思っていたけど、はやっぱり分かっていなかったらしい。 別に、察しが着いてもどうにもなるモンでもないから、僕は首を傾げるの頭を撫でながら適当に流した。 「あー、うん。そうだね。」 「滝先輩は知ってるの?」 「知ってると言うか、想像がつくだけ。」 うん。 想像はつくよ。 どうせ欲求不満なんでしょ。 今まで女遊び激しかったから。 毎晩のように火遊びしてたみたいだから。 急にそれをやめたから、苛々してるんでしょ。 自業自得じゃないの? つい先ごろから、念願かなってを口説き落とした跡部は、珍しく他の女をすべて切ったらしい。 一人を大事にしようって、その心がけは、まぁ一般常識からすれば普通のことだけど、跡部の価値観からするならとても珍しくいい心がけだと思うよ。 流石ににはまだ早いとか思って、自分の欲求を抑えているのも、偉いと思うよ。 それだけを大事にしてるんだ、跡部は。 でもだからって、その不機嫌をテニスの練習メニューに反映させることだけはやめて欲しい。 「跡部先輩、怒ってるのかな?」 「怒ってるかもしれないけど、気にしなくていいよ。が大事なだけだから。」 「私が大事だと、怒るの?」 「多分、怒ってるのは自分に対してだから。」 「分かんない。私が卒業するのなんて、まだ2年も先のことだよ?」 「そうだね。まぁ、ほっとけばいいよ。」 「ほっとけないよ。テニスはメンタル面も大事なんでしょ?」 中々食い下がるね、。 どうやらはで跡部のことを心配しているらしい。 よかったねー、跡部。 愛されてるねー、跡部。 でも何で僕がフォローしないといけないのさ。 「本当に知りたい?」 「うん。」 「じゃあ聞くけど、、まだ跡部に抱かれたこと無いでしょ?」 「毎日抱きしめてくるよ?」 良く飽きないよね、と。 は真顔で返してくる。 うわぁ、この子、どれだけ鈍いんだろう。 これじゃ跡部も我慢せざるを得ないな。 「絶対押し倒しても危機感なんて持ってくれない」に94ペソ。 思わず浮かんだ苦笑を抑えつつ、さり気無く跡部に視線を向ければ、もつられるようにその後姿を視線で追った。 「そうじゃなくて。もっと露骨に言えば、跡部とセックスしたことないでしょ?」 「せっ?!!?!?!?!」 あ、真っ赤になった。 ぽひゅんって音が鳴った。 なにこの子。 可愛いんだけど。 とういか、やっぱり此処まで直截的に言わないと理解してくれないんだ? まぁ、跡部ならこれくらいストレートでもサクッといいそうだけども。 まあ、僕には関係ないか。 「だから、そういうこと。本当は跡部はとしたくてたまらないんだ。だけどはまだ、心も体も準備が整ってないから、跡部は『中等部を卒業するまでは耐える』って言ったんだよ。」 よかったねー、優しい彼氏で。 そう続ければ、はがっしゃんと持っていたスコアボードを落下させながらも、顔を真っ赤にしたまま金魚みたいに口をぱくぱくさせていた。 |
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