Replica * Fantasy







No.39  【 あなたはやさしい 】




 と雑談をしていたら、何処からとも無く跡部が現れて、僕の存在なんてまるで無視したように高らかにに宣言した。


、お前が中等部を卒業したら、解禁だからな。」
「え、何がですか?」
「分からなくていい。俺がどんだけ堪えてるか、その時思い知らせてやるよ。」
「??分かりました?」


 そう言って、早々に跡部は苛々した様子でから離れていく。
うわ、凄い機嫌悪!
まぁ、何となく原因は想像がつくのだけど。


「何の話だったんでしょうね?」


 やっぱりね。
跡部の言葉を、多分分かっていないだろうなぁと思っていたけど、はやっぱり分かっていなかったらしい。
別に、察しが着いてもどうにもなるモンでもないから、僕は首を傾げるの頭を撫でながら適当に流した。


「あー、うん。そうだね。」
「滝先輩は知ってるの?」
「知ってると言うか、想像がつくだけ。」


 うん。 想像はつくよ。 どうせ欲求不満なんでしょ。
今まで女遊び激しかったから。
毎晩のように火遊びしてたみたいだから。
急にそれをやめたから、苛々してるんでしょ。
自業自得じゃないの?
 つい先ごろから、念願かなってを口説き落とした跡部は、珍しく他の女をすべて切ったらしい。
一人を大事にしようって、その心がけは、まぁ一般常識からすれば普通のことだけど、跡部の価値観からするならとても珍しくいい心がけだと思うよ。
流石ににはまだ早いとか思って、自分の欲求を抑えているのも、偉いと思うよ。
それだけを大事にしてるんだ、跡部は。
 でもだからって、その不機嫌をテニスの練習メニューに反映させることだけはやめて欲しい。


「跡部先輩、怒ってるのかな?」
「怒ってるかもしれないけど、気にしなくていいよ。が大事なだけだから。」
「私が大事だと、怒るの?」
「多分、怒ってるのは自分に対してだから。」
「分かんない。私が卒業するのなんて、まだ2年も先のことだよ?」
「そうだね。まぁ、ほっとけばいいよ。」
「ほっとけないよ。テニスはメンタル面も大事なんでしょ?」


 中々食い下がるね、
どうやらで跡部のことを心配しているらしい。
 よかったねー、跡部。 愛されてるねー、跡部。
でも何で僕がフォローしないといけないのさ。


「本当に知りたい?」
「うん。」
「じゃあ聞くけど、、まだ跡部に抱かれたこと無いでしょ?」
「毎日抱きしめてくるよ?」


 良く飽きないよね、と。
は真顔で返してくる。
 うわぁ、この子、どれだけ鈍いんだろう。
これじゃ跡部も我慢せざるを得ないな。
「絶対押し倒しても危機感なんて持ってくれない」に94ペソ。
 思わず浮かんだ苦笑を抑えつつ、さり気無く跡部に視線を向ければ、もつられるようにその後姿を視線で追った。


「そうじゃなくて。もっと露骨に言えば、跡部とセックスしたことないでしょ?」
「せっ?!!?!?!?!」


 あ、真っ赤になった。
ぽひゅんって音が鳴った。
 なにこの子。 可愛いんだけど。
とういか、やっぱり此処まで直截的に言わないと理解してくれないんだ?
まぁ、跡部ならこれくらいストレートでもサクッといいそうだけども。
まあ、僕には関係ないか。


「だから、そういうこと。本当は跡部はとしたくてたまらないんだ。だけどはまだ、心も体も準備が整ってないから、跡部は『中等部を卒業するまでは耐える』って言ったんだよ。」


 よかったねー、優しい彼氏で。
 そう続ければ、はがっしゃんと持っていたスコアボードを落下させながらも、顔を真っ赤にしたまま金魚みたいに口をぱくぱくさせていた。






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2009/08/10
リアル三次元でこんなネタで会話してる中学生がいたら、フツーに引くけどな(笑)!
ごく一般的な普通の中学生像を見失っている今日この頃。
ひっそりと滝先輩が好きなのですが奴の一人称が分りません(誤爆)。



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