なんか、色々ありえない展開になってる気がする月城ちゃんです、グーテンモルギャー。 若ハゲオールバックでこっぱち逆十字のクロロ=ルシルフル氏に精孔をこじ開けられてから早くも今日でちょうど一週間。 プラス9時間36分42秒。 と、言っている間にも13秒が過ぎてしまった。 なんて、胡散臭い賢者の真似をしている場合じゃなくて。 そう、念を起こしたのが一週間くらい前。 で、『面白そうだからやってみろ』と、言われていろいろすっ飛ばしていきなり水見式をやったのがその3時間28分くらい後の話。 どうやったらいいかもわからないままとりあえず葉っぱを浮かべたグラスに手を当ててみたら、グラスから丸ごと水だけたっぽんたっぽん浮き上がって、うわどーすんだコレとか思ってうっかり手を離しちゃったのに、水はそのまま空中で勝手に色が変わったり形が変わったり、増えたり減ったりして、で、最終的にはなんか知らないけどぐわって私の顔に近づいて、うっかりごっくんって。 え、ごっくん? 「どどどどどーしようクロロ!!飲んじゃった!今私飲んじゃったよ!!」 「落ち着け、飲んでも元は水だからお前が毒に変えてない限りは問題ない。それより、味はあるか?」 「無味無臭ですが!てゆーか水じゃない!なんか生暖かくてぬるっとしてるようなさらっとしてるような変な感じ!ちょっと温かかったし!」 「ふむ…念にでもなったのか?」 どーやら私は水を念に替えちゃったらしいですぜ。 しかも途中で手ぇ離しちゃったのに、勝手に動いたりして。 後でクロロが分析してくれましたが、どうやら私は物質を念に変えちゃう上に、発をした念がオートで動くという性質があるらしい。 つまり、私の念系統は、腐女子が大喜びの特質系。 で、良くも悪くも色々記憶として情報を植え込まれちゃったちゃんは、特質系=なんでも好き放題?!と、ソッコー閃いちゃったもんだから、そのまま四大行とかなんとか基本的なもの全部すっ飛ばしてぶっ通しで能力開発の修行に明け暮れてるわけです。 まあでも色々反則技な気がしたので、一応「いいのかヨ」と問いかけてみれば、クロロ曰く。 「基本の修行はいつでも誰でも出来るが、自分の能力開発は閃いたときにやったほうが効率がいいからな。特質系ならなおさらだ。誰も当てには出来ん。第一、基本を終えてからじゃ、のその中身の少ない脳みそは今の閃きを忘れるかもしれない。」 ――だそうで。 というわけで、無茶振りと夢ヒロインにありがちな妄想力を駆使してとりあえず念を技に形にしてみたわけです。 でも何でこの話を聞かない男・クロロ・ルシルフル(属性:ドS、幻影旅団)になかなか言えないかというと、ちょっとヨコシマな妄想から思いついたといいますかなんと言いますか…。 「隠すな、。それとも暴いてほしいのか?」 超放置で適当に自力で念修行させるとか、鬼仕様なことをさせていたのに、何を思ったかクロロは急に私に詰め寄ってきた。 いわく、『そろそろ出来てそうな気配だな。どんな感じになったんだ?ん?』ってことなんだが、いかんせんその聞き方がまずい。 本当に尋常じゃない。 この至近距離は分っていてやっているのかこのセクハラ団長は!!! 「クロロ近い!顔が近いぃぃ!!!うわーん!パク!パクぅぅぅっ!!!」 「はいはい。団長、面白いからってをからかわないでください。も大きな声を出さないの。そんなイイ反応じゃ団長が喜ぶだけよ。」 くすくすと、パクは超絶美形な微笑を浮かべながらも容赦なくクロロを引っぺがしてくれる。 そんでもってそのまま私をその豊満な胸に抱きこんでくれる。 あああああ、この世の天国です。 パクはなんて素敵なお姐様なのだろうか。 ちょっとクロロが同じように笑っているのがとても気に食わないのですが、まあそれもいいとしよう。 「パク、ありが…と?」 が、しかし。 私が顔を上げてパクにお礼を言おうとしたら、次の瞬間パクの表情がなんだか凄いことになっていた。 パパパパパパク?!どうしたの?!顔が怖い!美形なだけに物凄いこあい!!! 「――。あなたいつの間に蜘蛛になったの?」 「え、蜘蛛?別に私、蜘蛛じゃないよ?」 ね、団長?と、振り返ってクロロに確認しようとした瞬間。 パクに腕をつかまれてIn the パクの胸 アゲイン。 くるっとムキを変えられて、おおう!と思ったときにはもうパクに来ていたシャツを豪快に開かれていた。 ボタンが飛び散って、ちゃん大出血サービス! 「ひわーーーー!!!パク!!パク落ちついてぇぇぇぇぇぇ!!!」 「、どういうつもりなの?」 パクがご乱心だ! 盛大に肌蹴られたシャツをかき集めてみたけど、なんだかパクも真剣でシャツから手を離してくれない。 でも思えば、下はキャミ着てるし、あんまり問題ないことに気付いた。 「どうした、パク。大声出してお前らしくも無い。の身体に男の痕跡でも見つけたのか?」 「何ね、。ついに処女脱したか?」 いつの間にか、というか、私の盛大な悲鳴を聞いて集まってきたらしいフェイタンとか、まあクロロのセクハラ発言は今に始まったことじゃないけども。 処女がそんなに珍しいかコンチキショウ!!! 「乙女をいちいち下ネタでからかうなっつーの!!」 もうみんなの下ネタ攻撃には耐性が着いてきたよ。 実害が無いならいちいち反応するほうが疲れる。 てか、脱・処女してたら犯人は蜘蛛メンバーしかいないじゃん! あんまそんな感じじゃないけど、この人たち私を 「団長、に蜘蛛の刺青入れたんですか?」 「何故だ?は蜘蛛じゃないだろう?」 「じゃあこれは何なんですか?!」 なんだか疲労感を覚え始めた私をアウトオブ眼中に、パクがクロロを問い詰めていたけど、なんだかその内容が良く分らない。 とりあえずパクが怒っていることは分ってけど、とか思っていたら。 ぴっと私のキャミの真ん中あたりに指を引っ掛けて、パクはそれを引っ張りあげたのだ! ひぃぃぃぃぃぃセクハラ攻撃の実害第一号はパクですかぁぁぁぁぁぁ?! 「ぎゃーーーー!パク!乳が見えちゃうぅぅっ!!!」 「ほう。は意外に胸があるな。着痩せするタイプか?」 「冷静にセクハラ発言しくさってないでパクを止めてよクロロ!!!」 よもやセクハラをするパクを止めてとクロロに頼む日が来るとは思わなかったけど、この際仕方な! 背に腹は変えられない! 一生懸命パクがたくし上げたキャミを引っ張るけど、所詮ちゃんは民間人ですから! A級首の蜘蛛には勝てない! そりゃあもう必死になって見えそうになってる下乳を隠そうとっていうかもうすでに羞恥プレイの領域に達していますが何か?! そしてもう半分以上パニックになっている私を、神様は素敵に見放しやがったのです。 「で、。この蜘蛛は何なんだ?」 ぐっと。 こ い つ わ た し の ち ち を つ か み や が っ た ! しかもにっこりと薄ら笑いとか浮かべて! しかも容赦無い力で! 「ちょ、くろろ!痛い!痛い!」 「このままもがれたくなければ説明しろ。」 笑ってるけど、全然笑ってない。 ぞっとするくらい冷たい声でクロロに宣告されて、思わず恐怖に咽喉が鳴ったけど、クロロの手は私は話し始める前に離れていった。 なぜか。 クロロがつかんでいた『蜘蛛』が、そこから逃げ出したからだ。 どうやら私の右の胸の下辺りに居たらしい蜘蛛が、クロロにつかまれた瞬間に逃げ出したらしい。 ああ、これのことか、と思う前に、とりあえず公開プレイ未遂事件だった服装をあわてて元に戻す。 ちょっと蜘蛛に驚いたっぽいクロロ達の表情が、少しだけ面白かった。 「これはね、念だよ。念で描いた蜘蛛。」 「念?」 「うん。私の身体に棲んでるの。」 「どういう技だ?」 「『夏目友人帳』」 まあ、トリップする前のネタですけどね。 好きだった漫画からヒントを得ました! 著作権法に違反しないことを切に願う次第ではありますが。 「誰かさ、いらない人、いない?」 クロロがちょっと興味を示したっぽいので、詳しく聞かれる前にこっちから聞いた。 別に、出し惜しみするつもりはないし、どんな感じになるか実演もしてみたいところだったからちょうどいいのかもしれない。 「対人間用か?」 「まあ、とりあえず人間相手のイメージで考えたからね。物にも使えるかもしれないけど、それは応用編になりそうかな…。」 「俺たちにかけるには支障があるのか?」 「ドMじゃないならやめたほうがいいと思うよ。一度も試したことが無いから、上手くいくか分んないし。」 「そうか。フェイ、一昨日忍び込んできた賞金首ハンターはまだ生きてるか?」 「なんね、ワタシの玩具使う気か。」 「いつもお前が持っていくんだから今日くらいは提供しろ。」 「――わかたね。」 フェイタンはあんまり『分った』って感じではなかったけれど。 ていうか、一昨日『お客さん』何か来てたんだねー、全然気付かなかったー。 というわけで、3分後には結構いい感じに拷問後らしい人が引きずってこられて、私の目の前に放り出された。 うわー、この人可哀想に。 これで私の念の実験道具とかにされたら死ぬんじゃないだろうか。 ここで私がそれを気にして『やっぱヤダ』とか言い出したら、私のほうが殺されそうだから、言わないけども。 「というわけで、ちゃんの記念すべき第一号の念技は『夏目友人帳』なるものです。」 おいで、と小さく声をかければ、皮膚の上をすべるように蜘蛛の形をした刺青が右の手のひらまで登ってきた。 それを、哀れな賞金首ハンターの人に触って、移動させる。 「まずはね、相手に直接障って、蜘蛛の刺青をつけるの。ちなみにこの刺青は念で書きました。」 蜘蛛は最大で13匹まで描ける。 これは、別にたいした意味は無いけれど、なんとなく蜘蛛メンバーの数と同じにしてみた。 13って、なんだか不吉な感じがしていいと思ったしね。 「蜘蛛は、もう一度私が触れるか、『戻れ』とか『消えろ』って指令を出すか、私が死ぬまで基本的には消えない。その人の身体に住み続ける。」 「で、その刺青がどうなるんだ?」 「まあ、見てのお楽しみ。誰か紙とか布とか持ってる?」 周りを見回してみるけど、特にそれっぽいものが無い。 しょうがないから、さっきパクに盛大にボタンを飛ばされたシャツを脱いで、小さく裂いた。 「紙でも布でも何でもいいから、念で身体の一部を書き込む。誰かー、リクエストあるー?」 ぴっと、人差し指を構えて布の前にかざす。 リクエストを求めたら、フェイタンが即答で「爪」と言ったので、その布に念で『爪』と書いた。 よし、仕込みは完璧。 此処から先が難しいんだよねー。 文字を書いた布を、口にくわえる。 ぱんっと一つ手を叩いて、念をこめた呼吸で文字を吹き飛ばした。 しゅるしゅると布から飛び出した文字は、そのまま賞金首ハンターの方のあたりでまどろんでいた蜘蛛の中に吸い込まれていって、全部その中に入ると同時に、蜘蛛は指先に向かって移動して、そして。 悲鳴、と、出血。 すでにフェイタンによって半分以上剥がれていた爪の、残りの半分を、蜘蛛が食べていた。 「やったー!成功した!!」 思わず手を叩いて喜んでしまったよ。 なかなか上手くいったでねーの。 初めてにしては、結構優秀じゃね?私。 「なんね。刺青の蜘蛛が爪を食べたか?」 「うん。念で書いた文字書いたものを銜えてね、念をこめた呼吸で飛ばすの。そうすると、相手の身体につけた蜘蛛に指令となって届くの。で、蜘蛛はその指令に従って、その場所を食べちゃうのよ。」 我ながら、なかなかえげつないいい感じの技に仕上がったと思う。 うむ、余は満足じゃ! 「体中、どこでも食べるのか?」 「基本的にはね。あ、でも右足だけは絶対に無理。」 「何故だ?」 「そう決まってるの。刺青がね、右足だけには絶対に移動できないの。」 「なるほど、制約と誓約か?まあいい。他は平気なんだな?」 「うん。『念を食え』って言うのは無理だけどね。内臓とか、コレステロールとか、胎児とか、物理的なものなら多分なんでも平気。」 実は、私が自分の身体に刺青をつけたのは、脂肪とか食ってくれないかなーと思ったからなんだけど、残念ながら自分自身にかけることは出来なかった。 まあ、脂肪の全部を食われても死ぬだろうし、体中についた脂肪をちくちく食われるのも相当に自虐的な拷問だと思うので、思いとどまったけれど。 「拷問にはいいが、実践向きではないな。」 「そりゃあね。実践よりもビジュアル重視なイメージから思いついた技だから。」 「ビジュアル?」 私の満足そうな言葉に、クロロが怪訝そうに聞き返してくる。 「そう。クロロが手ぇぱんってやって、紙銜えてふって吐息をこぼしたら、色っぽいんじゃないかと思って。髪下ろしバージョンならなお萌!」 「………」 「とゆーわけだから、今ならスキルハンターに触ってあげるよ?」 何しろ実践向きな技じゃないしね! 今後拷問意外にあんまり使い道を思いつかない念でもあるから、ちゃん的には取られても痛くもかゆくも無い。 なので、サムズアップで大盤振る舞いしてあげようと思ったのに、クロロの反応は無常なものでした。 「いや、いい。」 「えー?!実践向きじゃないから?」 「が紙を銜えて手を叩いて上目遣いに吐息をこぼすさまもなかなかにエロかったからな。髪も長いし丁度いい。」 「なんだそりゃ。」 「何ならもっとエロい仕種がにじむように調教してやってもいいぞ?」 ………………………、にやりとわらったクロロのかおが、なんだかすごくきょうあくにみえました。 うわーん!何か墓穴掘ったーーー?! |
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