と。 言われてしまった。 14歳の女の子に、19歳の男の人が言うには、ちょっと笑えない言葉。 私が言うのもなんだけど、からかってるならやめて欲しいし、本気だとしたら、その真意が何処にあるのか少し気になるところで。 暫くアレルヤの、片方だけ私に見える眼を見上げてみたけど、あまりよく分からなかった。 一つ、分かったのは、冗談ではないってこと。 一つ、確信したのは、今の言葉には、いわゆる恋愛感情と言われるものは微塵も含まれて無いってこと。 「どうして?」 それでも、分からないことだらけだったから、とりあえず聞いてみた。 だって、何かうやむやにしてはいけないような気がしたから。 「さぁ、どうしてだろうね。」 「私がコーディネーターで、アレルヤがデザインベビーだから?」 「さぁ、どうだろう。」 でも、私が問いかけても、アレルヤは困ったように笑うだけだ。 本当に、自分でもよく分かってないのかもしれない。 「還り方が分かるまでは、私は此処に居るよ?」 此処しか、受け入れてくれるところなんて無いだろうし。 私もアレルヤやロックオンたちが好きだから。 一緒に戦うし、笑うし、泣くし。 「その後は?」 「還るに決まってるじゃない。」 だって、此処は、私の世界じゃない。 私を受け入れてくれる人たちがいても、私が生まれた世界じゃない。 私が戦ってきた世界じゃない。 私が守りたかった人は、此処には居ないから。 「、還らないで。」 それでもアレルヤは、泣きそうな声で言う。 どうして私に執着するのか、それが全く分からなかった。 「アレルヤが、私と一緒に居たいって言ってくれるなら、アレルヤが「こっち」に来て。それが出来ないなら、私が「還る」って言い張る理由も分かるでしょう?」 「――そうだね。僕は、わがままを言っているんだ。に無理難題を押し付けているのだろうね。だけど。」 少し言葉を切ったアレルヤの手が、伸ばされてくる。 私の顔を触れるか触れないかの距離ですり抜けたその手は、髪の毛に絡んでから、そのまま後頭部を掴んだ。 私は、無重力空間の中を、変な体勢でアレルヤの方へ引き寄せられる。 あ。 顔、近い。 眼の色、が。 「悪りぃが、アレルヤだけじゃねぇんだ。俺は、俺の好きなようにする。」 まるで噛み付くような、獰猛な囁きと共に。 ごく至近距離に現れた彼は、もう「アレルヤ」ではなくて。 「ハレルヤ?」 どうやらもう一人の方のスイッチを入れてしまったらしい。 |
(C) 2005-2009 Replica Fantasy 月城憂. Some Rights Reserved.