Replica * Fantasy







No.01  【 僕を動かせるもの 】




「起ーきーてーっ!!起きて下さーい!ジロちゃん先輩、休憩はとっくに終わってます!!」


 それどころか、もう部活も終わりの時間です!!っと。
は俺の身体をずりずり引き摺りながら叫ぶ。
あははは、残念だけど、の力と体格じゃ、俺を運ぶことは出来ないCー。
 でも、俺を呼ぶ声とか、一生懸命引っ張ってる姿とか、のそういのが可愛いから、実は起きてるんだけど起きないのだ。


「ジロちゃん先輩ってば!!このままだと放置プレイしちゃいますよ?!」
「――………。」


 どこでそんな言葉覚えたんだろう?
跡部とかだったら、俺ちょっと人間不信になっちゃうかも。
 でも、何だかんだ言っては絶対に俺を置いていかないし。


「もうっ!私にだって、考えがあるんですからね?!」


 ついには怒ったらしいが、ジャージのポケットから携帯電話を取り出す。
薄目を開けて見てみれば、器用に片手で携帯を操作して誰かに電話をかけてた。
 んー、誰にかけてるんだろう?
流石に監督とかだと、マズイかも知れないけど。


『もしも「跡部先輩!今すぐジロちゃん先輩をレギュラーから外しちゃって下さい!」


 うわぁ、ってツワモノー。
跡部の言葉遮ってまで怒鳴るなんて。
俺今までそんなことする女の子って見たこと無いよ?
 ちなみに、俺は別に跡部が怒っても不機嫌になっても全然怖くないけど。
めんどくさいからわざわざ怒らせたりはしないC。
案の定、言葉遮られた跡部の、すげー不機嫌そうな声がの携帯の向こうから聞こえてくる。


『もしもしくらい言わせろ。』
「だってどうせ携帯に着信表示出るじゃないですか。それよりジロちゃん先輩が起きないです!どうにかして下さい!」
『あーん?部員を起こしに行くのもマネージャーの仕事の一つだろ?』
「そんな仕事聞いてないですー!こんなの運べないですよー!!!」


 ねぇ
こんなのって、俺のこと?
電話の向こうで、跡部が笑ったのが分かった。


『とにかく、ジローを起こして来い。起きれば自分で歩いてくんだろ?』
「だからその起こし方を教えてくださいよ!!」


 ブツっと、勢い良く通話が切れる。
は茫然と携帯電話を見つめて呟くと、暫くそれを睨んでいた。
でも、すぐに携帯をポケットにしまって、そして何故か腕まくりをして気合を入れている。


「よしっ!負けないもん!」


 あのー、ちゃん。
俺を起こすのって、そんなに重労働?
俺、の前ではいつも起きてるんだけどなー?
寝たフリしてるけど。
まぁいいや。
面白そうだから、もう少し寝たフリをしておこう。






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2008/05/23
ジロちゃん好きです。<コラ(笑)
私の中のイメージは、7.5割は寝てる、2割は寝たふり、0.5割はテニス、といった感じ(笑)。



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